中国ゼロコロナ政策について(情報弱者)

現在日本や海外メディアは連日、中国各地でゼロコロナ政策に対するデモや批判の様子を報じている。
私が住んでいるエリアではデモは起きていないが、今のところ局地的に行われている。

日本でも報じられている通り、きっかけは新疆自治区のウルムチ市で長引くゼロコロナ政策の中での高層マンションの火災、
道路が封鎖されているため消防車の到着が遅れたことで10名の方が死亡。

現在の中国ではIoTが確立され、街中の至る所に監視カメラ、SNS(ウェイボやWECHAT、TIKTOK)は全て情報統制され、
動画や写真がアップされても数時間で削除されるという徹底ぶり。

それでも私の周りの中国人の若者はほぼ全員は実情を知っている。
デモなどが起こっている事を知らないのはその子達の親の世代(50代以上)、いわば情報リテラシーを持たない情報弱者である。
その若者はこの現状に対し非常に嘆いていた。両親に何度説明しても分ってもらえず、SNS上だとそれ以上は書けないという。確かにそうだ。

そんな中、11月28日に新華社通信は羅思義(青島理工大学教授)と観察者ネットとの対談内容を掲載。
羅氏は大学教授、金融研究院の役職、観察者ネットの特約筆者という顔を持つ。
観察者ネットは、上海観察者信息技術有限公司と上海春秋発展戦略研究院と共同で作られたネット機関紙である。

そんな関係性を持つ両者の対談内容について要約すると

・2019年末から始まったコロナ感染拡大、世界はコロナを抑えこんだと主張しているが様々な問題は残っている。
・米国の人口とそのコロナ感染比率を中国の人口で換算すると、470万人もの死者を出していた筈。
・米国は過去2年間、平均寿命は2.7年短縮。現在の中国は米国の平均寿命を上回る。

結論として、中国人民はまず中国政府のゼロコロナ政策に感謝しなければならない、と締めくくっている。

【引用元】新華網
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1750745157904759574

一部では、このようなデモの拡大を抑制させる為にゼロコロナ政策を年末に緩和するだろうという憶測は出ているが、
何とも言えないのが私の実感であり、現在の中国では情報弱者を作りあげる土壌は確立されているが、
情報リテラシーを持つ若者によって今後どのような展開になるのか注視していきたい。

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