中国市場向けの”販売総代理契約”の注意点について

現在、日本国内の報道やYoutubeなどで中国の景気回復に対する悲観的な論調が多いため、

中国市場への拡販は様子見という企業は散見するが、かつては14億人もの人口を抱える中国市場に自社ブランドを拡販しようとする日本企業は多かった。

 

今回は、B2C向け商材を扱うブランド企業をメインに書く。

 

拡販すると言ってもさまざまなやり方があり、代表的なやり方は5つ挙げられる。

1.現地法人を立上げ、自前でEC or オフラインショップで拡販。

2.現地法人を立上げ、中国全土をエリアに分け、中国企業に地域代理権(ディストリビューター)を与えて拡販。

3.日本 or 中国に居る”営業代行&PR会社”を使った拡販。

4.中国で法人登記をせずに、”越境EC代行会社”を使った拡販。

5.中国で法人登記をせずに、中国企業に”販売総代理”権を与えて拡販。

 

私の前職の会社で行われていた手法は1&2の複合型だが、当時はEC販売がまだ一般化されておらず、主にオフライン販売がメインだった。
特に、2と5の場合、中国企業に”代理権”を付与するため、注意しないとトラブルが生じていた。

 

私の経験上、中国商人はテリトリー意識が大変強く、契約締結交渉を行う段階から、出来るだけ”代理の権利範囲”を広げようとする傾向が強い。

 

「俺はこれだけの販売ルートを持っている」

「俺はこれだけの人脈がある」

「俺はこれだけの資金力がある」

 

などなど、自分達は如何に実力があると主張されたら、中国市場のことを知らない日系企業は、それらの言葉を聞いて、さぞかし心地がよく、
もしかしたら彼らに総代理権を与えたら中国市場で大成功を収めるんじゃないか?と感じ、つい”販売総代理契約”を締結してしまう。

 

もちろん、これは全ての企業に当てはまることは無いのだが、上手くパートナー企業に巡り会えた企業も多いと思う。
ただ、私の経験上、安易に”販売総代理契約”を締結したことで上手く拡販出来なかった日本企業が居るのも事実。
中には、3年間の有効期限を締結したために、販売不振でも他ルートを探ろうにも出来ない企業も居る。

 

販売総代理契約を行う上で注意点と手法をいくつか述べる

*1社だけでなく、複数社の候補を探し競合させる。

*自社商品と相手側が持つ商流がマッチしているのか?または親和性はあるのか?と徹底的に調査すべし。

*販売目標と期限を明確に設定し(出来れば年間4タームに分け、トライアル期間を設ける)、出来なければ総代理契約権を剥奪、二次代理権へ移行。

*インセンティブ政策を施す。例)第一タームの購入額を超えた場合、第二ターム購入時に値引きする・・etc

*自社ブランドの商標の取得は必須、出来れば”流通先ルート”の報告をさせる。

最初から”総代理契約”では無く、程よい緊張感と達成感が得られる契約にすることと、
自社製品が如何に優れていて、日本や世界で売れているか、可能性を秘めているかというアピールを欠かさないことも肝要である。

また、言うまでもなく、売上金の回収も重要で、”前金支払い条件”は大前提である。

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