米国アパレルブランドGAPの中国市場撤退について
2010年に中国市場に進出した米国アパレルブランドGAPがいよいよ撤退する事になった。
2022年11月8日 中国の宝尊電商有限公司がGAPの中国事業を2.9億元(約61億円)で買収すると報じられた。
少し前から予兆はあった。
中国のゼロコロナ政策により、2022年の第二期における同社の売上は昨年同期対比で8.36億ドル(約1200億円)のマイナス、
経常利益4900万ドル(約70億円)の損失。
GAPチャイナは北京、上海、広州、南京などで複数店舗の閉店セールを行い、
現段階でも店舗数は110箇所あるが全てを閉鎖し、今後宝尊電商有限公司がECサイトで同ブランド商品の販売を行う。
宝尊電商有限公司は2007年に設立され、かつてアリババからも出資を受け、2015年に米国ナスダック市場、
2020年9月に香港株式市場に上場を果たした中国企業。
主に天猫(Tモール)、京東、抖音(Tiktok)モールなどのプラットフォーム上で販売を行う。
取り扱うブランドは実に355種以上、Valentino、Nike、Levisなど、日本のZOZO TOWN的な存在。
企業情報を簡単に調べた。同社の資本金は18億元(約380億円)、傘下に少なくとも8つの子会社を持つ大企業だが、
2014年に設立された香港企業が100%の株を取得している。法定代表人は同一なので税金対策と思う。
ゼロコロナ政策によるショップ経営が困難となり、今後ますます外資の撤退が加速し、中国企業によるECへ移行する事が予想される。