中国のIoT事情(スマホ決済について)

上海在住歴19年目の私だが、中国のIoT技術や導入スピードを目の当たりにして来た。
まず、IoTとは何か?Internet of Things(モノのインターネット)の略語で、インターネットを介し様々なサービスや管理を行う総称である。

中国では近年、街の至る所でIoT化が日本以上に加速し、人々の生活が便利になっているが、その背景に国の事情があるとも言われている。
そう、総人民管理社会の確立が必須である。

今回はスマホ決済について述べる。

日本ではPaypayやLine Payなど、民間企業が多く参入した事で普及スピードが中国に比べて遅れているが、
完全なるスマホ決済体制の確立が良いと断言出来ないと思う。

中国ではAlipay(支付宝)とWechat Payしか存在しない。それも国が管理していると言われている。

中国互聯網絡信息中心(CNNIC)の発表によると、2020年12月の時点で中国のスマホ決済ユーザー数は8.5億人を超え、
スマホユーザーの9割近くがモバイル決済を利用しているとされているが、長年上海在住の私にとってはそれ以上という感覚。
ここ数年、街中で現金を見たことが無い。

レストランやスーパーマーケットでの買い物をはじめ、公共料金や携帯電話代、交通違反金の支払いに至るまで、上記の2つの決済方式で行われる。

先述の総人民管理社会の確立と述べたが、中国におけるスマホ決済は全て個人の身分証や銀行口座と連動させないと使えない為、
個人の収支及び銀行残高の記録は取得しようと思えば可能だし、使えないようにする事も技術的に可能だ。

中国では日本と違って偽札が多く、ATMの数が日本に比べて少ない事情がスマホ決済を加速させたとも言われているが、
このようなインフラ作りが中国の管理社会の確立にとって必要な第一歩とも言える。

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